昨日の日経新聞朝刊に、「環境会計でコスト削減-比較可能な共通基準必要」という記事が掲載されていました。
環境会計の分野で注目を浴びているのがマテリアルフローコスト会計(MFCA)です。2006年3月期にMFCAを導入したコンプレッサー製造のサンデンの斉藤好弘環境推進本部長は、「環境会計で効果的にコストを削減できた」と話します。主力の赤城工場(前橋市)の製造コストが2%低下し、CO2排出量も1%減ったそうです。
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MFCAは、製造プロセスにおけるマテリアル(物質・原材料)のフローとストックを物量単位と金額単位で測定する原価計算システムのことで、本来の製品(正の製品)ではない廃棄物や排出物(負の製品)についても、それらがマテリアルロスとなるまでにかかった原価を正確に算定しようとするものです。
サンデンでは、アルミニウム棒材の切削工程で大量に出るアルミ粉が問題でした。MFCA導入で客観的に問題点を把握した上、粉を減らすため切削する刃の薄型化を考えつきました。ふたを開けると粉の発生量が減少、同時に棒材から取れる部品の量も導入から2年で3%増加したそうです。
どのように貿易の変化の方向
経済産業省によると、2007年度末でのMFCA導入社数は前の年度から8社増えて50社になったということです。経産省の旗振りで3年後にはISOでの国際規格化を目指しており、増加ペースが上がる可能性があります。
日本で初めてMFCAを導入したのは2000年の日東電工です。電子部品用粘着テープなど、成長分野だが工程数が多く廃棄物の出やすい分野に適用しています。2002年3月期にはテープの端材や不要な接着剤など「負の原価」は適用分野の製造コストの32%を占めていたが、2009年3月期には10%まで下げられる見通しだといいます。MFCAは無駄を生じる場所を発見し体質改善につなげる効果があるといえるでしょう。
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環境会計の導入企業は徐々に増えているとはいえ、課題もあります。まず、廃棄物の分類や重さなどのデータ測定には手間がかかるため、人手の少ない中小企業では早急な導入は困難です。また環境会計は管理会計のため、基準がまちまちで、社外への公表も前提にしていません。自社の過去と現在の比較はできても、異業種同士はもちろん、同業種の間での比較も困難です。各業種の業界団体が主導し比較可能な環境会計の制度づくりが必要でしょう。
まだまだ課題は多いですが、環境報告書に掲載する企業も増えてきており、産業界の共通の土台として普及することを望みたいものです。
マテリアルフローコスト会計については、以下の本が詳しいです。比較的平易に解説し、4社の実践事例を紹介しています。マテリアルフローコスト会計の概要や、その有効性を理解するにはいい本だと思います。
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